【生成AI時代の教育を考える - 大前研一氏の警鐘から】
今回は、大前研一氏の最新刊『新版 第4の波 AIスマホ革命の本質』で示された、教育におけるAIの影響と日本の教育システムの課題について、詳しくお話しさせていただきたいと思います。
僕は、13年間の公立中学校教員としての経験から、社会と教育の接点やギャップについて強い問題意識を持っています。
今回だと、生成AIのガイドラインづくりに時間がかかってしまう現状は、技術の進化スピードから見ると既に3世代遅れていると考えています。
大前氏の指摘によると、ChatGPTの登場は、まさに第4の波の転換点となっています。1980年にアルビン・トフラー氏が予測した第3の波(情報革命)が前半での大量雇用、後半での大量解雇をもたらしたように、2022年秋以降のIT企業での大量解雇は、第4の波の後半の始まりを示唆しているそうです。
特に注目すべきは、生成AI時代に子どもたちに必要な能力についての指摘です。大前氏は「質問する力」を最も重要な能力として挙げています。先生が答えを教えるのではなく、子どもたちが自分の頭で考え、質問を繰り返し、クラスメイトと議論しながら答えを探し続ける姿勢と能力を育むことが不可欠だと述べています。
現代の国際問題、例えばロシアとウクライナの戦争や中東問題について、専門家と呼ばれる人々が解説していますが、それは答えではありません。彼らは当該地域の歴史や地理、人物の名前を知っているだけで、正解は持っていないのです。
21世紀において最も避けるべき態度は、そうした解説を聞いて「わかったつもり」になることだと大前氏は警鐘を鳴らしています。
さらに深刻なのは、日本の教育システムの遅れです。エストニアでは10年前にデジタル教科書を導入し、月に30回もアップデートして最新情報を取り込んでいるのに対し、日本は2024年度にようやく英語のデジタル教科書提供を始める段階。しかも内容やレイアウトは法律で紙と同じと定められており、社会の最新動向を反映できない仕組みになっています。
そして教科書の制度の設計上、生成AI関連の技術が小学生の教科書に登場するのは最速でも2028年度という見通しです。また、2020年度から必修化されたプログラミング教育も、既に時代遅れになっているという指摘には、現場経験者として強く共感します。
僕自身、現在は教育現場を離れ、子どもたちに生成AIを伝える機会を積極的に作っていこうとしています。ChatGPT以外にも数多くのAIツールの効果的な活用方法について、教育関係者にお伝えできればと考えています。
重要なのは、AIが出す答えも「正解」ではないという認識です。正解は時間とともに変化し、今日の答えは明日には間違っているかもしれません。そのため、AIとの対話を通じて自分で答えを探していく力が必要なのです。
皆さんは、これからの教育に必要な「質問する力」をどのように育んでいけばよいとお考えでしょうか?ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです!
教育機関向けの研修や講演のご依頼も受け付けております。全国どこへでも伺いますので、お気軽にご連絡ください。生成AI時代における教育の在り方について、一緒に考えていければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。素敵な一日をお過ごしください。
松田洋輔(日本酒侍ぐりこ先生)
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